2022年7月、出版レーベルgreen seed books をはじめました。

この一冊との出会いで、嬉しくなったり、ちょっと考えたり、何度もページをめくりたくなるような、こころをうるおしたり、ゆらす本作りができたら嬉しいです。

小さなころにであった言葉や絵本が種になり、大地に根をはった大きな木になる‥そんな思いでgreen seed booksと名前をつけました。翻訳絵本だけでなく、オリジナルの絵本などもゆくゆくはお届けしたいと思っています。、対象年齢のない絵本作り‥どんな年齢のひとたちにも手にとってもらいたい、それが目標です。

なぜ、今ひとりで出版を始めようと考えたのか、少しだけお話しします。

子どものころにおばあちゃんから教えられた「おまじないの言葉」。不安だったり、悲しくなったりしたとき、何かむずかしいことに立ち向かうとき、自信がなくなったとき‥呪文のようにその言葉をくり返すと、顔をあげて一歩ふみだすことができました。そのおかげで「言葉のもつ力」を長いあいだずっと信じ、言葉を届ける本作りを仕事にすることができました。

最初の自著「世界の子どもたち」インドネシア編、トルコ編(偕成社刊)は、はじめて訪れた国の子どもたちの生活を観察し、その国の暮らしや文化を紹介するドキュメンタリー写真絵本でした。小さな頃からいつも外の「世界」への憧れを持ち続けていたので夢に近づけた一歩となりました。

子育てと仕事を共存させていく中で、会社勤めを経験し「世界の都市の物語」シリーズ(文藝春秋刊)など、世界に目を向けるノンフィクションの本作りをしてきました。

そして、暮らしの拠点が東京、ハノイ、ワシントンDC、NYと広がるにつれ、それが「世界に向けて日本を発信したい」に変わり、バイリンガルのレシピ本「おにぎりレシピ101」「和ごはん101」などに。また、日本にまだ紹介されていない本探しの好奇心が、「Zero」「One」(講談社刊)など、翻訳絵本作りへと繋がりました。紹介したい海外の絵本がたくさんあること、フリーランスで版元を探す長い時間が惜しい、それが自分でやってみようという思いに結実しました。

だれにとっても「未知なる世界」はいつもドキドキわくわくしますが、知らないトビラを開くのは少し不安で足がすくみます。ひとりで本を編み世に送り出すこと‥おばあちゃんのおまじないの言葉をとなえて、一歩、歩み出そうと思います。











©2022 green seed books